女優平愛梨(30)の妹、平祐奈(16)が、映画「案山子とラケット~亜季と珠子の夏休み~」(井上春生監督、4月4日公開)で初主演した。日本海の島でソフトテニスに打ち込む女子中学生が、家族や周囲を再生させていく青春ストーリー。初体験で臨んだソフトテニスだったが「お姉ちゃんがシャラポワさんのまねをして応援してくれました」というエピソードも明かした。

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 -ソフトテニスの経験はあったのですか

 祐奈 ないんです。撮影の1カ月前から練習したんですけど、最初は1球も打てなくて「どうしよう、亜季を演じられないかも」とあせりました。苦手なところをテニスの監督やコーチがノートに書いてくださって、本当に基礎から。ちょっと打てるようになったら心がウキウキして、すっかり好きになりました(目をキラキラと)。

 -練習が楽しかったのは何よりですね

 祐奈 ラケットを振り抜いた時のボールの「パーン!」という音がすっごく気持ちいいんです。学校が終わったら毎日2、3時間練習。都内の高校で同世代の人たちと一緒に練習させてもらいました。私の学校はスポーツの部活がないので、学校終わってから部活、みたいな経験ができたのも本当に楽しかった。

 -テニスでは錦織圭選手が大活躍ですが、ソフトテニスをやってみて、見方は変わりましたか

 祐奈 変わりました。ほんと、かっこいいですよねー。スピードも迫力も、私とは全然違います(笑い)。一緒に? できませんよぉ。無理です無理。

 -300人以上のオーディションで亜季の役を射止めたんですよね。お姉さんの愛梨さんからは何かアドバイスをもらったのですか

 祐奈 オーディション当日は珍しく体調を崩したんですけど、お姉ちゃんが「ピンチをチャンスに変えよう」と背中を押してくれました。シャラポワさんの動画を見ながら「サーブはこうだよね」とか、まねしてくれて。服のコーディネートも決めてくれたし、玄関先までテニスの素振りしながら『こんな感じで頑張って!』って(笑い)。お姉ちゃんは芸能生活15年目なので、同じ世界ですごく頼もしいし、いろんな刺激をもらっています。

-役の亜季を取り巻く環境は、お父さんのリストラや、母親、姉との別居、自分もつらい過去があったりと複雑ですが、祐奈さんのご家族は6人きょうだいの仲良し家族ですよね

 祐奈 家族全員O型で、大の仲良し。明るくて話が尽きない家族なので、亜季の役に入るのは苦労しました。井上監督が亜季がどんな子かを書いてまとめてくださって、自分なりに考えながら。亜季はいろんなことがあったけど、お父さんが大好きな女の子なんです。お父さん役の小市漫太郎さんが、穏やかで心優しくて、ほんとにすてきなんですよ(うっとりと)。島の美しい棚田で稲を育てている背中を見ていたら、亜季のお父さんだという気持ちになって、胸にじーんときました。

 -祐奈さんのお父さんは小市さんに似ているのですか

 祐奈 逆ですね。ライオンみたいなタイプ(笑い)。ワイルド系です。

 -2人きりのソフトテニス仲間である珠子を演じた大友花恋さんとは、一緒にお風呂も入ったとか

 祐奈 そうなんです。島での撮影の間はずっと同じ部屋に住んで、一緒にご飯食べて、一緒にお風呂入って。お手洗い以外はずっと一緒(笑い)。怖い話したりアナ雪を熱唱したり。テニスの練習も撮影も、一緒に頑張れたのはうれしかったです。

 -映画はどんな人に見てもらいたいですか

 祐奈 悩みながらも前向きに成長していく女の子の話なので、同じ10代の人や、ご家族に見てほしいです。こういうふうにも生きられるんだ、と思ってもらえたら。

 -祐奈さん自身は悩みはありますか

 祐奈 うーん、思いつかなーい(笑い)。ないです。悩まない。毎日皆さんのおかげで充実させてもらっているので、悩みはないです。

 ◆平祐奈(たいら・ゆうな)1998年(平10)11月12日、兵庫県生まれ。映画「奇跡」オーディションに合格し、女優デビュー。映画「貞子3D」やNHKドラマ「胡桃の部屋」などに出演。「おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!」としてCDを6枚リリースしている。6人きょうだい(女2人、男4人)で女優の平愛梨は上から3番目の長女。特技は琉球舞踏。