一風変わった設定のホラー映画「It Follows」(原題)が全米で3月13日に封切られ、4館の限定公開ながら16万ドル(約1920万円)を稼ぎ出し、批評家からは早くも「2015年最恐」と大絶賛を浴びるなど注目を集めている。

 同じ13日に公開されたディズニーラブストーリーの実写版「シンデレラ」の予算が9500万ドル(約114億円)なのに対して、本作は200万ドル(約2.4億円)という低予算で制作されており、「シンデレラ」の約1/50だ。それにもかかわらず、3月13日~15日の各館平均の興行収入では「シンデレラ」の2倍以上の数字をたたき出しているのだ。

 話題になっているのは、そのキワモノっぽい設定とストーリー。19歳の少女ジェイはボーイフレンドのヒューとセックスをした後に、自分にしか見えない幽霊の姿に悩まされはじめる。彼女はヒューに呪いを移されており、自分の呪いを解くためには他の男性とセックスをして呪いを移さなばいけないというジレンマに陥る。彼女の感じる孤独や猜疑心(さいぎしん)が見事に描かれており、米ニュースサイト「デイリー・ビースト」のレビューでは「今年のアメリカのベストホラー映画」という言葉が与えられ、米映画評集計サイト「Rotten Tomatoes」では94%という高評価を獲得している。

 本作の監督・脚本を務めたのは、2010年に青春映画「アメリカン・スリープオーバー」で監督デビューを果たしたデヴィッド・ロバート・ミッチェル。主演の19歳の少女のジェイを「とらわれて夏」や「ザ・ゲスト」で知られるマイカ・モンローが演じている。ビッグネームが名を連ねているわけではないが、「モダンなホラー映画」と高い評価を受けている。【ハリウッドニュース編集部】