サザンオールスターズが、22年ぶりに日本武道館ライブを行うことが30日、分かった。4月11日から始まる全国ツアー「おいしい葡萄の旅」の追加公演として、8月17、18日の2日間開催する。ボーカル桑田佳祐(59)の武道館への思いもあって実現したという。

 音楽の聖地に、サザンが久々に帰ってくる。80年12月に初めて武道館の舞台を踏んで以来、同所で16回ライブを行ったが、92年のシングル「涙のキッス」が初のミリオンセールスを達成するなど、約1万人収容の武道館では多くのファンがチケットを取れない状況になった。93年2月に3日間公演を開催して以降は横浜アリーナや東京ドーム、日産スタジアムなど、より動員数の多い会場でのライブを行うようになっていた。 22年ぶりの武道館ライブ実現の裏には、ザ・ビートルズの存在があった。関係者によると、ビートルズ初来日時の、66年6月30日から3日間行われた武道館ライブは、当時10歳だった桑田を音楽人に目覚めさせる大きなきっかけの1つになったという。

 桑田は11年12月、同所で開催された「ジョン・レノン スーパー・ライヴ」にソロで出演。武道館公演時のビートルズの演奏や身のこなしを見事に再現していた。来月28日には、ポール・マッカートニー(72)の49年ぶり武道館公演(日刊スポーツ新聞社など後援)も決まっており、関係者は「このタイミングでの開催は、桑田も感慨深いに違いありません」と話す。

 さらに、サザンならではのダジャレの要素もある。今日発売の10年ぶりアルバムのタイトルは「葡萄(ぶどう)」。50万人超動員予定の10年ぶり全国ツアー「おいしい葡萄の旅」は、4月11日の愛媛県武道館が皮切りだ。桑田らメンバーやスタッフの間でも「『葡萄』だけに、『武道』館でできたらいいよね」という声があがっていたという。

 ツアーの千秋楽にあたる日本武道館ライブのチケットは、「葡萄」購入者が先行して応募できる(詳細は公式サイト参照)。「ぶどう」づくしのツアーは、ファンにとってもメンバーにとっても、熱い夏になる。