アルゼンチン出身の演歌歌手大城バネサ(33)が1日、宮城・気仙沼市の地福寺でビクターエンタテインメント移籍第1弾となる新曲「俺の漁歌」(作詞・青山るみ、作曲・影山時則、編曲・新田高史)のヒット祈願と新曲披露ライブを行った。

 「俺の漁歌」(22日発売)は気仙沼の漁師の実話をもとにマグロ漁に挑む漁師の心意気を歌う。波のうねりを表現したイントロや、<歌詞>獲ったぞエー 獲ったぞエー…のサビが印象的。バネサは「『ハンパ帰りは 男がすたる』という歌詞があるのですが、歌手としての私の決意でもあります」という。

 02年3月のNHK「のど自慢チャンピオン大会」で海外勢初のグランドチャンピオンとなり、03年8月デビュー。今年デビュー12年目だが、その間レコード会社の契約を切られ、会社契約のアパートを出されるなど苦渋も味わった。

 一昨年発表した「三陸海岸」で息を吹き返した。東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼のサンマ漁がテーマ。再開された気仙沼の伝統行事「サンマ船の出船送り」で歌唱するなど地元の人々と固い絆が生まれた。新曲はその第2弾でヒット祈願も同地を選んだ。

 この日は津波被害から再建された地福寺で片山秀光住職ら10人の僧侶が読経。敷地内で行われたライブに200人以上が集まった。バネサは「いろんな方との出会いがあって今があります。自分の夢より、そうした方々が喜ぶよう歌っていきたい」と心機一転の飛躍を誓った。

 ◆大城(おおしろ)バネサ 1981年11月26日、父が沖縄生まれの日系1世、母の父母が沖縄出身の日系2世という日系アルゼンチン人2世。幼少から沖縄民謡や演歌に親しみ、03年8月「鴎も飛ばない海だよ」で歌手デビュー。08年にアルゼンチン公演を行った。BS12などの音楽番組「唄声チャチャチャ」の司会。14年から美ら島沖縄大使を務め、新曲のカップリングは沖縄が舞台の「逢いたい島」。所属事務所は「Rサプライ」(岐阜・羽島市)。血液型O。