NHK「クローズアップ現代」でやらせがあったと指摘された問題で、同局の調査委員は9日、中間報告を発表した。ビルの一室を詐欺の「活動拠点」としたことについて誤りと認定した。番組構成も「演出が過剰ではなかったかという観点から検証を進める必要がある」とした。

 番組は、記者が詐欺に関わるブローカーを突き止めて取材し、次に訪ねてきた債務者にも取材する構成で昨年5月に放送された。ブローカーとして紹介された男性が、記者に頼まれて「架空の人物を演じた」と証言する内容が週刊文春で報じられた。

 中間報告では、男性が相談を受けたビルの一室を「活動拠点」とした点を「誤り」とし「記者の関与は認められないが、裏付けが不十分」とした。

 また男性が記者から「ブローカー役を演じるように依頼された」と話していることに対して、記者は「撮影の事前説明はしたが、演技の依頼はしていない」と証言し、食い違いが生じているため、引き続き調査を進めるとした。

 またこの日、同番組の国谷裕子キャスター(58)が中間報告を受け、番組内で「取材が不十分だった。視聴者の皆さまなどにおわびいたします」と謝罪した。