JR川崎駅東口駅前広場に、川崎市出身の歌手で1985年の日航ジャンボ機墜落事故で亡くなった坂本九さん(当時43)が歌った「上を向いて歩こう」の歌碑が設置され、11日、除幕式が開かれた。

 高さ約1・9メートル、幅約1・3メートルの御影石製で、坂本さんの略歴も刻まれている。上部が曲線を描くようにくぼんでいて「涙がこぼれないように」との歌詞を表現した。

 川崎市が進める「音楽のまちづくり」を後押しする目的で、社会奉仕団体「ライオンズクラブ国際協会」が市に寄贈。土地を管理するJR東日本が設置を快諾した。団体によると「上を向いて歩こう」の歌碑は、坂本さんの母の故郷で戦時中の疎開先だった茨城県笠間市にもある。

 除幕式には、坂本さんの妻で女優の柏木由紀子さん(67)、長女で歌手の大島花子さん(41)らが出席した。

 柏木さんは「婚姻届を出すなど、たくさん思い出のある主人の愛した川崎。後世に伝えてほしい」と感謝の言葉を述べた。川崎市の福田紀彦市長は「『九ちゃん前で待ち合わせ』と、市民に親しんでもらえれば」と話した。