12年に亡くなった女優森光子さん(享年92)の幻の写真集「女優魂 森光子『放浪記』二〇一七回の記録」(扶桑社)が、森さんの95回目の誕生日となる5月9日に出版される。

 ライフワークだった舞台「放浪記」が、09年5月9日に2000回を達成した時の公演を写真家の篠山紀信氏が楽屋入りから本番、終演後までを完全密着して撮影。95年から森さんを撮り続けた篠山氏の迫力ある写真282枚から厳選した39枚を掲載している。森さんも「舞台女優としての資料本にしたい」と待望し、森さんに遅れること1カ月後に亡くなった中村勘三郎さんらが寄稿した。

 当初、11年の「放浪記」初演50周年の公演で出版を予定したが、10年の公演がドクターストップで中止。11年の公演もなくなったため、「体調が回復した暁には出版を」と延期された。生前の森さんが楽しみにしていただけに、篠山氏の「ぜひ、世に出したい」という熱意で出版が実現した。