大腸がん闘病中の俳優今井雅之(54)が、降板した主演舞台「THE WINDS OF GOD」(5月1~5日、新国立劇場)の千秋楽(5日)で行ったあいさつの様子が12日、主催者から公表された。

 今井は公演前、「押忍(おっす)」と声を上げて登場すると、客席を見渡しながら何度も頭を下げた。

 その後、すぐに椅子に座り、「たくさんのお客様に来ていただき、ありがとうございます」と声を詰まらせながら観客に感謝した。

 「本当は自分はこの舞台に役者として立ちたかった」と悔しさをにじませたが、3分も立っていられず、マイクを外すと後ろの方まで声が届かない状態と説明した。

 それでも「自分は、役者を辞めたわけではありません。役者人生を充実できるようにがんと闘うつもりです」と復帰を誓った。

 先月30日に、同所で会見を行い、末期がんであることを告白。転移の可能性にも言及し、涙をこらえながら「病には勝てなかった」と頭を下げた。舞台の降板については「自分の判断で降ろさせてくれと…」と、目に浮かべた涙をこらえて語っていた。