歌舞伎俳優片岡仁左衛門(71)が25日、大阪市内で、大阪松竹座公演「七月大歌舞伎」(3~27日)を発表し、極悪人役の快感を語った。

 7月公演では昼の部で「ぢいさんばあさん」、夜の部で「通し狂言 絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)」を上演。昼の部は大きな夫婦愛をテーマとし、夜の部で「大好き」という悪役を2役演じる。

 「絵本-」は鶴屋南北の作で、時代物、世話物といったテイストの悪役2人が主人公で、極悪非道の限りを尽くす。仁左衛門は、色気とちゃめっ気を秘めた極悪人に仕上げ、はまり役でもある。

 「いや~ほんと、悪役は気持ちいいですよ。きっと僕自身が悪人なんですよ(笑い)。皆さんの前ではこうして、人の良い顔してお話ししてますけどね。悪が主人公って、悪人に華はあっちゃいけない。いけないけど、あるんだよね~。芝居の中では何してもいいからね。あははは」

 いたずらっぽく笑ってみせた。ちゃめっ気は天賦の才だ。一方、公演は夏の開催だが、暑さ対策には「気にしない」と笑った。

 「とにかく楽しく過ごすこと。お仕事も楽しく、夜も楽しければ遅くなっても明日への活力になる。(体調不安の)前兆があれば対処するぐらいだね」と話していた。