TRFリーダーDJ KOO(53)が、けん玉をプロデュースした。TRFのヒット曲を聞きながら遊ぶことができる「ミュージックけん玉」が12日に発売される。玉が皿やけん先に収まるとDJ KOOの掛け声も楽しめる。けん玉ブームといわれる中、異色のコラボレーションとして注目されそうだ。

 けん先や皿に玉が収まると、DJ KOOの陽気な掛け声が響いてくる。「オッケー!」「グレイト!」「イエス!」。モードを切り替えると、TRFのヒット曲「EZ DO DANCE」や「BOY MEETS GIRL」を聞きながら、曲調に合わせて楽しむこともできる。

 発売元となる大手出版社の幻冬舎の教育部門は、「集中力が身につく」として小学校の授業にも取り入れられているけん玉に5年前から注目。関連本に加え、けん玉も発売していた。木製のイメージが強いが、「楽しさをより感じてほしい」と音や光の出るものを制作していた。バージョンアップにあたり、音楽を中心に幅広く活動するDJ KOOに昨年末、プロデュースを依頼した。

 DJ KOOはそれまでけん玉に興味はなかったというが、「『音の出るけん玉』と言われ、それは自分が専門とするリズムの分野だからできるかも」と依頼を引き受けたという。米国男性がけん玉で遊ぶ動画などを見て「ストリートカルチャーに取り入れ、音楽に合わせてやっていて驚きました。負けちゃいられない」。ダンスミュージックブームをけん引したグループのリーダーとして、負けん気に火が付いた。

 自宅スタジオにこもり、サウンド作りに取りかかった。「どうやったらテンションが上がるかは、DJなら分かります。人をのせる掛け声はクラブでやっているそのままです」。本体内蔵のライトが光る仕掛けも発案。本体の色にもこだわり、深紅色を提案した。「TRFでやっているDJブースも赤。すごくテンションが上がる色です」。

 1人娘から「自分のけん玉が作られるのなら、上手になったほうがいい」と言われ、練習にも励んだ。日本けん玉協会の「けん玉検定」も受け、6級を取得した。「次の目標は4級。娘の言葉はプレッシャーなので、早くプロ級の腕前にならないと」とすっかりけん玉にはまっている。【松本久】

 ◆けん玉ブーム 約5年前にけん玉を米国に持ち帰った男性が音楽に乗せたパフォーマンス動画をネットで公開して話題に。人気は欧州にも波及し、日本でもスケートボードのパフォーマーらに広まり「ストリートけん玉」としてメディアに取り上げられた。脳トレ効果もあるとされ、女子レスリング五輪3連覇の吉田沙保里らスポーツ選手や、ハリセンボン箕輪はるか、GENERATIONS数原龍友、8・6秒バズーカー、歌手三山ひろしら芸能人にも愛好家が増加。日本けん玉協会によると昨年度の出荷数は前年の2倍。今年も増加しているという。

 ◆けん玉の段級位 日本けん玉協会では技量に応じた段級位を認定している。級位は10~1級、段位は準初段、初段から10段まで。段位は協会の会員が対象。