演歌歌手森山愛子(30)が28日、出身地・栃木県の那須塩原市にある那須波切不動尊金乗院の恒例行事、火祭りに初参加した。同所は関東3霊場の1つとして知られ、修験者の荒行で有名。

 修験者とともに白装束に身を包み、緊張した面持ちで表れた森山は、最初に護摩行を行った。

 2メートル以上の高さに燃えさかる炎に近づくと両手を合わせ、栃木県を全国にPRしたいと祈願。10年に県知事から「とちぎ未来大使」に任命されており、「歌を通じて、栃木の顔と言ってもらえるように頑張りたい」と誓った。

 その後は、火渡り行に加わった。04年のデビュー時には、芸名の名付け親・アントニオ猪木から闘魂ビンタを注入された。「あの時は予告がまったくない不意打ち。今日は燃える炎をずっと見ていたので怖かった」という。始める前は、心臓の位置に何度も手を持っていき、心を鎮めようとするしぐさが見られた。自分の番になると、意を決したように前を向き、火がくすぶる灰の上を3度も歩いた。「燃え尽きるぐらい歌に一生懸命に取り組みたい」と気持ちを新たにした。

 デビューして12年目。「最近は『これぐらいでいいや』という怠け心が出てきた」という。それを反省しつつ、「これで初心に戻れた」と笑顔を見せた。足の裏を見せてもらうと真っ赤。少しやけどをしていたが「大丈夫です」。“闘魂の歌姫”のニックネームを持つ森山らしく、痛みをこらえながら話した。

 これまでで最大のヒットは、12年に発売した「約束」でCDとカセットで約4万。だが、この日を境にして、さらなる上を目指す。7月19日にはNHK「のど自慢」に出演する。