広末涼子(34)が主演映画「はなちゃんのみそ汁」(阿久根知昭監督、12月公開)の撮影で初体験に感激した。幼い娘にみそ汁の作り方を教えてがんで亡くなった母親を演じた。

 夫役は私生活で4人の子供を持つ滝藤賢一(38)。かつて「役者は自分の経験をそのまま表現する仕事ではない。母親役は実際に母親でなければ演じられないとは思わない。人生や私生活と関係なく対峙(たいじ)するのが役者」と考えていた。

 ところが撮影中、子役と演技する滝藤が感極まって何度も泣く姿を見て、もらい泣きした。

 「お父さん感があふれていた。滝藤さんが未婚でお子さんがいなかったら、そういう芝居にならなかったと思う。初めての経験で、うれしく現場が幸せでした」。

 現在2児の母で今年夏に第3子を出産予定。新たな刺激を得て、女優として飛躍が期待される。今回の作品も「生きているのがすばらしいと思え、笑って泣ける映画になれば」と話す。滝藤も「広末さんの覚悟を感じました」と撮影を振り返った。【村上幸将】

 ◆「はなちゃんのみそ汁」 千恵(広末)は25歳で乳がんを発症。別れを覚悟し、恋人の安武信吾(滝藤)に告白したが、ともに病を克服しようと誓い、結婚した。抗がん剤治療をやめてしばらくたち、千恵の妊娠が発覚。そして生まれた娘にはな(赤松)と名付けた。ところが、その後、がんが再発。千恵は、はなの4歳の誕生日に「毎日、おみそ汁をつくること」と約束する。原作は13万部を記録した実話ベストセラー。