映画「進撃の巨人」(樋口真嗣監督、前編8月1日、後編9月19日公開)の完成会見が2日、クランクインしたロケ地の長崎県・軍艦島(端島)で行われ、三浦春馬(25)水原希子(24)本郷奏多(24)石原さとみ(28)が1年2カ月ぶりに再訪した。会見は、観光客が立ち入り禁止の島北東部で行われた。

 軍艦島での撮影は、人間が巨人に襲われ、文明が崩壊したという世界観を俳優陣に体感させるため、樋口監督の強い希望で2日間行われた。島全体を特殊装置で読み込んでデータ化し、茨城県高萩に設置したセットの背景にも映像として入れ込んだ。樋口監督は「捨てられて風化した悲しくて美しい島。こういう場所はどこにもない」。三浦は「島に降りた瞬間、しっかり足を地面につけて臨まなければ何かが起きると思った」と振り返った。

 ドイツ・ボンで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会で、3日から世界遺産登録の可否が審議される予定。世界遺産に決まれば、今後は撮影やイベントの開催はほぼ不可能となる。三浦は「時代の最先端の島から、ある日突然、人が遠ざかった悲しさも感じる島。もっともっと軍艦島の歴史も知られたらうれしい」と語った。【村上幸将】