吉本興業(大阪市)が、現在の資本金約125億円を1億円に減資することが29日、関係者への取材で分かった。取り崩し分を「資本準備金」に充て、財務改善を図るとみられる。資本金が1億円になると税制上は「中小企業」と見なされ、法人税率の軽減などの優遇措置を受ける狙いもありそうだ。

 関係者によると、6月の株主総会で承認され、9月1日付で実施する。

 吉本興業の2015年3月期決算(単体)は、子会社株の評価損などで特別損失を計上したことなどが響き、純損益が赤字となった。

 1億円に減資する手法は、経営再建中のシャープも今春計画したが、政府などからの批判を受けて断念した経緯がある。(共同)