黒島結菜(18)が29日、都内のNHKで開かれた主演ドラマ「戦後70年 一番電車が走った」(8月10日午後7時半)会見中に涙した。

 1945年(昭20)8月6日に広島に原爆が投下された、わずか3日後から広島電鉄が運転を再開した実話を元にしたドラマで、電鉄の家政女学校の生徒として電車を運転した実在の人物・雨田豊子さんを演じた。演じた感想を聞かれ「今日、見るのは2回目。自分の作品を見て、泣くことはないのに、ウルッとくる」と言い、左手で涙をぬぐった。本編の最後に、広島電鉄家政女学校のOBとして講演会などを開く、現在の豊子さんらの映像が流れると、ウルッとくるという。

 電鉄の復旧を目指して奔走する広島電鉄社員・松浦明孝さんを演じた阿部寛(51)は、松浦さんの息子と対面し、墓参りもしたという。「若い頃は、あまり感じなかったけれど、この年になって(戦争や原爆の話が)本当につらくて胸に刺さる。若い人に、戦争は絶対にしないと伝えないといけない」と力を込めた。

 また電鉄家政女学校生だった小西幸子さんを演じた清水くるみ(21)は、幸子さんと対面した時を振り返り「当時のことや原爆投下の後のことをお話ししていただいた。(撮影)現場は明るいけれど、悲しい現実を後世にしっかり伝えないと、という思いで演じました」と神妙な表情で語った。

 「戦後70年 一番電車が走った」は、実在の人物の取材に基づき、再構成した物語。本編の最後には原爆が投下された後の広島の、カラー映像も収められており、当時を知ることができる貴重な映像資料ともいえそうだ。