吉本興業を「笑いの総合商社」と呼ばれるまでに成長させた元社長の中邨秀雄(なかむら・ひでお)さんが7月3日に肺炎のため大阪市内の病院で死去したことが1日、分かった。82歳。大阪市出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は長男正人(まさと)氏。

 中邨さんは55年、吉本興業入社。吉本新喜劇の立ち上げなど演芸部門の再興に携わった。テレビと舞台を融合した公開バラエティー番組の制作を発案し、「ヤングおー!おー!」などを企画。桂文枝や笑福亭仁鶴を人気者に押し上げた。91年に林正之助会長(当時)の死去に伴い社長就任。東京進出や経営多角化を進め、99年に会長に就任した。

 04年に不正支出疑惑が報じられた後、健康上の問題を理由に名誉会長を退任。