文芸春秋は4日、芥川賞に決まった人気お笑い芸人の又吉直樹(35)による小説「火花」を40万部増刷すると発表した。累計発行部数は200万部を突破し、209万部になる。

 出版科学研究所(東京)などによると、芥川賞受賞作の単行本の発行部数としては、村上龍氏(63)の「限りなく透明に近いブルー」(1976年)の131万6000部を抜いて歴代1位。綿矢りさ氏(31)の「蹴りたい背中」(2003年、125万部)、柴田翔氏(80)の「されど われらが日々-」(1964年、106万6700部)なども上回った。

 又吉は「ありがとうございます。『火花』が多くの皆さまに届くことがうれしいです。僕も、この夏はたくさんの本を読もうと思っています」とコメントしている。

 「火花」は今年3月刊行。7月16日に選考が行われた第153回芥川賞で受賞作に選ばれた。その後、増刷を繰り返し、同月30日には25万部の増刷を決めている。