シンガーソングライター土岐麻子(39)が大阪市内で日刊スポーツの取材に答え、7月29日に2年ぶりにリリースした新アルバム「Bittersweet」をPRした。

 新作は「都会で暮らす不惑の女性のサウンドトラック〜女は愛に忙しい〜」をテーマに、1人の女性が成長していく物語を事前設定してから楽曲を作るという工程に初挑戦。「セ・ラ・ヴィ〜女は愛に忙しい〜」から始まる12曲は、まるでフランス映画の短編をつなぎ合わせたような「繊細で色っぽいサウンド」に仕上がった。

 「12曲目『地下鉄のシンデレラ』以外は、歌詞の1人称は私。自分の実感で、自分と関連する世界を描いた。友人と話すことで自分が何に愛着があるかに気付けたり、自己分析していた」。アラフォーを迎えた自身について「仕事のキャリアで積み重ねて安定感が出た部分もあるけど、思っていたより落ち着いていない」と自嘲する。4曲目の「SU SA MIN」は「荒み(すさみ)」の造語で「自分の心が荒んだときに現れるキャラクター『す・さ・みん』」を描いた。「ポジティブだけでは疲れる。家に引っ込んで、荒んだ気持ちを認めることで、楽になることもありますよね」。脱力感も心地よく、アルバム全編に自然体の土岐の今がにじんでいる。 

 新アルバムを携え、10月8日の大阪公演(心斎橋BIGCAT)を皮切りに、全国8都市でワンマンツアー「子曰、四十而不惑。麻子曰、惑うなら今だし。 」を開催する。詳細は公式サイトを参照。