映画「お盆の弟」(大崎章監督)が、英国・ロンドンで9月23日に開幕する、第23回レインダンス映画祭に出品されることが24日(日本時間25日)決まった。既に海外では、6月2日から7日までドイツ・フランクフルトで開催された第15回日本映画祭「ニッポン・コネクション」で上映されたが、世界各国の作品が集まっての国際映画祭への出品に、大崎監督の喜びもひとしおだ。「レインダンス映画祭に参加できる事をとても、光栄に思います。この映画にはどこにでもいそうな悩みを抱えた地方都市の人々が登場します。ロンドンの観客の皆さんがどのような反応を示すのか、とても楽しみです」と期待した。

 レインダンス映画祭は、欧州最大級のインディペンデント映画祭で、昨年は綾野剛主演で、国内の各映画賞を相次いで受賞した「そこのみにて光輝く」(呉美保監督)が、ベストインターナショナル賞を受賞した。今年は「お盆の弟」のほか安藤サクラ主演映画「白河夜船」(若木信吾監督)染谷将太主演映画「ソレダケ/that’s it」(石井岳龍監督)「野火」(塚本晋也監督)三浦貴大主演映画「ローリング」(冨永昌敬監督)「SLUM-POLIS」(二宮健監督)日米合作のドキュメンタリー映画「ザ・バース・オブ・サケ(酒の誕生)」(エリック・シライ監督)も出品される。

 「お盆の弟」は、映画を1本撮った後、次回作が決まらない映画監督のタカシ(渋川清彦)が、妻裕子(渡辺真起子)から別居を切り出され、地元群馬でがんの手術をした兄マサル(光石研)の看病をしつつ、親友の売れない脚本家・藤村(岡田浩暉)と、家族の再生をかけて新作の企画を進める物語。北野武監督の91年「あの夏、いちばん静かな海。」93年「ソナチネ」など、話題作の助監督を長年務めてきた大崎監督と、監督の盟友で昨年「百円の恋」でブレイクした脚本家・足立紳氏がタッグを組み、両者の実話を多数、物語に盛り込んだ自伝的映画だ。