松たか子(38)瑛太(32)井上真央(28)阿部サダヲ(45)が野田秀樹(59)作・演出・出演のNODA MAP公演「逆鱗(げきりん)」(来年1月29日~3月13日、東京芸術劇場)に出演することが2日、分かった。野田にとって13年「MIWA」以来の新作。

 松は7年ぶり4度目の野田作品。昨年11月に妊娠を発表後、今年1月のTBS系「生命38億年スペシャル」収録を最後に産休に入り、3月に第1子となる女児を出産した。7月に短期舞台で復帰したが、今回は東京公演後も、4月まで大阪、北九州と続く長期公演で、本格的な復帰作といえそうだ。

 井上は「MIWA」に続く2度目の野田作品出演。主演しているNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の収録が来月初めに終了予定で、大河終了後の初仕事となる。瑛太は「MIWA」に続く2度目、阿部は13年ぶり3度目の野田作品となる。

 「逆鱗」は、人間に翻ろうされる人魚の悲劇を描いた童話「赤いろうそくと人魚」に触発された作品で、「人魚」「志願」「逆鱗」がキーワード。人間との約束を果たすため水族館に現れた人魚が、人魚のふりをした人間と出会うことで物語が始まる。「生きた化石」と呼ばれる魚が水族館に運ばれ、その口から男たちが出現。それは崇高な目的のため志願して魚の中に入った人間だった。人魚は男たちに、かつて交わした約束を明かし、水族館も世界も何もかもがひっくり返るというストーリー。

 野田は「人間が貴い志願をしたころの物語。人は時に何かを切に願う。その気持ちを志願と呼ぶならば、その『こころざし願おうとする』気持ちに偽りはないのか、本当に迷いはないのか、なかったのか? そういう話」と構想を明かす。松と井上は、人魚か人魚のふりをした人間の役になるという。ほかに池田成志、銀粉蝶、野田作品初参加の満島真之介が出演する。