声変わりするまでという短い時間、天から与えられた声を持つ少年合唱団で、ひとりぼっちの少年が厳しい指導者との出会いによって成長し、運命を切り開いていく姿を描いた映画「ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声」(9月11日日本公開)。本作で、ベテラン教師で今なお衰え知らずの頑固な合唱団団長カーヴェルに、2度の米アカデミー賞に輝くダスティン・ホフマン。そして天才少年シンガー、ステットを新人若手俳優ギャレット・ウエアリングが演じている。

 ギャレットは厳しい家庭環境の中、母の死を目の当たりにし、エリート少年合唱団の実力が国内で指折りの学校に引き取られることになる主役の少年を熱演。正統派イケメンのビジュアル、ハリウッドでは近年稀に見る天才子役と言われることから、「リバー・フェニックスの再来なのでは?」と、次代の映画界を担う役者として注目されている。

 本作で長編映画デビュー作となるギャレットは、役が決まった時の感情については次のように語る。「テキサス出身の12歳の子供だからね。ステットと同じだよ。ダスティン・ホフマンやキャシー・ベイツのようなすごい俳優と大作映画で共演するなんて、夢みたいで、すごいと思った」。また、フランソワ・ジラール監督との仕事については「フランソワは素晴らしい監督だけど、厳しくもある。自分の目指すものがはっきりしていて、それを得るまで俳優の背中を押し続ける。そこが大好きなところだ」と語る。

 フランソワ監督が「ギャレットにはステット役に必要な素晴らしい演技力があることがすぐにわかった。彼の年代にはめったに見られない集中力がある。彼の強烈さと鍛錬に感心した。俳優としての彼にとってこの映画はエキサイティングな旅の始まりになると思う」と語るように、見事な演技を見せているギャレット。今後彼の名前を目にする機会は増えることだろう。【ハリウッドニュース編集部】