第72回ベネチア国際映画祭で、新たな才能を発掘・育成するカレッジシネマ部門に日本人で初めて選ばれた長谷井宏紀監督(40)の初長編「ブランカ」が5日(日本時間6日)、上映された。上映後、長谷井監督は多くの観客から握手を求められ、「反応が予想以上で驚きました。ここから始まるという思いです」と語った。

 「ブランカ」はフィリピン・マニラの路上で生きる孤児の少女が主人公。母親をお金で買えたらと思いつき、盲目のギター弾きの老人と組んで歌い始めるが、トラブルに巻き込まれていく。現地の子どもたちが演じた。

 同部門は今年で3回目。世界中から応募された企画約400本から、映画祭が3本を選び、製作費各15万ユーロ(約1990万円)を支給した。

 雑誌「アートリビューン」のイタリア人記者は「少ない製作費だが非常にエレガント。主役の少女が素晴らしい」とたたえた。