京都映画祭の趣旨を引き継ぎ、吉本興業が昨年から始めた「京都国際映画祭」(10月15~18日)のプログラムが7日、よしもと祇園花月で発表され、アンバサダー(大使)を務める女優、桃井かおり(64)が、滞在先のラトビア共和国からビデオメッセージを寄せた。

 現在は拠点を海外に移し、映画作りに従事する桃井は「今、ラトビアで撮影中です。今年はメキシコ映画にも出ましたし、海外で活動するようになって、お金のついていない映画でも、映画祭でとても気に入ってくださり、その映画の運命が大きく変わっていくことを実感しています」とあいさつ。

 古くから映画撮影の拠点だった京都については「プロの映画人がいる場所」と敬意を表し、同映画祭には「世界に誇れる映画人が集まる京都での映画祭には、期待しています。京都でぜひ、会いましょう」とメッセージを寄せた。

 同映画祭は昨年秋、吉本興業などが中心となり、前身の京都映画祭を引き継ぐ形で、京都国際映画祭としてスタート。映画だけでなく、アート表現にも力を入れたエンターテインメント祭に仕上げた。

 今年はその2回目。桃井が監督、出演する映画「Hee」も上映される。同作は、小説「火」(中村文則氏原作)をもとに、桃井が演出、脚本を手掛け、火に異常に執着する精神疾患を患う女性を軸に描いている。

 ほかには、キム兄こと木村祐一(52)が107組の芸人にインタビューした映像をもとにした「ワレワレハワラワレタイ(仮題)」も予定され、木村は「芸人が芸人をインタビューすることで、みんな、自然な感じで答えてくれた」と話した。

 木村は13年2月から撮影を始め、前日6日にアップしたばかりだといい、200時間を超える映像から、6時間弱ほどの映像5本分に編集する作業に入る。

 また、オープニングプレミア上映は、戦後70年に関連して、今年4月天皇・皇后両陛下が訪問されたパラオ共和国、ペリリュー島での戦いをたどる「追憶」に決まった。

 さらに、ドキュメンタリー部門では、問題作も上映。オウム事件の本質に迫ろうと02年に公開された映画の完全版「A2 完全版」も公開される。

 同映画祭の奥山和由総合プロデューサー(60)は「立派な映画祭にしようとは思わない。京都でやるというだけで、十分に立派。京都という懐に甘えさせていただいて、上映はいかがなものか? と言われる作品も並べたい」と説明。

 「京都は、変や乱が好き」のキャッチコピーを掲げ、挑戦をテーマにしたいという。