米大御所コメディアンのビル・コスビー(78)に薬を飲まされた上、性的暴行を受けたと告発する女性たちが続々と名乗り出る中、米NBCテレビは米国時間の9日、報道番組「デイトライン」の特別番組「コスビー告発者ら語る」を放送。年齢46歳から80歳までの27人の告発者らが結集し、それぞれの体験を語り合うという。

 告発者の一人スンニ・ウェレスさんはニューヨーク・デイリー・ニューズ紙に、「犠牲者同士が一緒に語り合えることは、癒やしであり、カタルシスになると思う」と語っている。

 さらに08年、コスビーにプレーボーイ邸で薬物の入った飲み物を飲まされ、性的暴行を受けたとして、今年1月に警察に届出を出したモデルが米国時間の6日、コスビーを民事訴訟で訴えたことも明らかになった。ニューズ紙によると、訴えたのはモデルのクロエ・ゴインスさん(24)で、ロス市警は先週、ゴインスさんの届出に関する刑事捜査の結果を地方検察事務所に引き渡したという。コスビーに薬を飲まされた上、性的暴行を受けた、あるいはレイプされたと主張する女性はおよそ50人にのぼっており、ゴインスさんもその一人だ。

 コスビーはこれまで一度も起訴されておらず、弁護士らは無実を主張している。コスビーは9日、告発者の一人ジュディ・ハスさんが昨年12月に起こした訴訟をめぐり、宣誓証言を行うことになっている。(ニューヨーク=鹿目直子)