「第2回 京都国際映画祭」が15日、京都市東山区の祗園甲部歌舞練場で開幕し、各賞が発表され、三船敏郎賞には、俳優仲代達矢(82)が選ばれた。

 同映画祭は昨年、前身の京都映画祭にアートなど多様な芸をコラボレーションさせてリニューアル。日本映画への貢献をもとに選ぶ「三船敏郎賞」を新設し、今年は、仲代の受賞となった。

 仲代は「18歳でこの世界に入りましたが、俳優になる前は、三船さんの大、大、大ファンだった。(三船さんの)酔いどれ天使などは、12回連続で見たぐらい。それが、この世界に入って、三船さんと共演できただけでも、ひとつの勲章。まさかこの賞をいただけるとは…」。感慨深げに言葉を続けた。

 実際、共演した三船さんは「私の俳優、演技の先生であり、チャンバラもすごかった。三船さんの立ち回りについていこうと、家に仕切りを作って、真剣を振って練習した」と、当時を振り返り、話した。

 また、優れた映画人を顕彰する「牧野省三賞」は、故黒沢明監督作品に従事した映画スクリプター(記録)の野上照代さん(88)に決まった。08年「母べえ」で、ともに仕事をした女優吉永小百合(70)から、VTRで「日本映画のためにこれからも元気で、頑張ってください」とコメントが寄せられた。

 同賞をめぐっては、牧野氏の孫で俳優の津川雅彦(75)が関わっており、津川は、セレモニーに集まった参加者に「テレビに押され、日本映画はもう断末魔を迎えている、その日本映画をどうか応援してほしい」と呼びかけていた。