歌手石井竜也(56)が21日、東京・日本武道館でデビュー30周年コンサートを行った。米米CLUBのボーカル、カールスモーキー石井としてデビューして、ちょうど30年。「米米で10年、ソロで10年、米米が復活して10年。すごく早くて30年という気がしない」。新曲「飛~JUMP~翔」から「浪漫飛行」まで全33曲を、20代のころと遜色ない伸びのある歌声で歌い、観客を酔わせた。

 「ライブツアーをしない年も、アルバムを出さない年も1年もなかった。われながら自慢できるかな」。芸術家、映画監督など多方面で才能を発揮しながら、柱となる歌手としての活動も休まず続けてきた。「30年前は、カールスモーキー中村とか適当な芸名でけむに巻くことも考えてて、3カ月で終わると思ってたのに」と笑った。9月2日発売の新アルバム「STONE」では、珍しくロックにも挑戦した。「今までの女にくっついていたような曲(甘いラブソング)じゃなくて、これからは男っぽい歌を歌っていきたいね。新しい石井竜也を見せるのがファンへの仁義でしょ」。

 アンコールでは、長女にサプライズでステージにケーキを持って来られると「オレは泣いてないぞ~。ダメだな、このごろ鼻が緩くて」とはなをすすりながら感激していた。【瀬津真也】