お笑いコンビのアメリカザリガニが11日、東京・松竹芸能新宿角座で、独演会を開いた。公演は、松竹芸能初の試みとしてニコニコ動画で完全生配信された。

 この日は、ニコ生を生かした企画として、会場の観客からお題を集めて行う企画「即興漫才」のお題を、ニコ動視聴者からも集めた。ステージのバックにかけられたスクリーンには大量のお題が流れ、「モンハン(ゲームソフト『モンスターハンター』)」「宝くじ」「入れ歯」の3つが選ばれた。

 柳原哲也(43)と平井善之(42)はステージが暗くなった1分弱の間で即興で漫才を考えた。平井が「ライブ、もう半分、モンハン分、過ぎた?」と言うと、柳原が「このままやっていれば(入れ歯)、お前と漫才すると困る。オチもない。(終演時間は)だから9時(宝くじ)でいいの!!」と半ば強引ながら3つのお題を漫才に入れ込み、フィニッシュ。ニコ動ユーザーからは「良かった」「おもしろい」という絶賛のコメントが多数寄せられつつ、一部「強引」という厳しい指摘もあった。

 他にも、歌のうまい2人がアニソンを歌う「歌ネタ」「リズムネタ」のほか、柳原がラグビー日本代表・五郎丸歩(29)の“五郎丸ポーズ”を披露するなど、時事ネタを絡めた濃厚な内容だった。ラストのネタは、故やなせたかしさんの代表作「アンパンマン」をベースにした創作漫才。ジャムおじさんが艦長を務める宇宙戦艦とともに戦ったアンパンマンが、宇宙で力尽き、残されたマントを宿敵ばいきんまんが拾って身にまとう、というスペースオペラ的なネタとなった。会場は拍手に包まれ、ニコ動ユーザーからも拍手を意味する「888888」というコメントが多数、寄せられた。

 ライブの最後に、柳原は「初めての試みでしたけれども、ニコ生の人たちを通して、こういう(お笑いの)見せ方もできる。持ち味もあるんでしょうけど、角座の会場で見ると、全然違う。ぜひお越し下さい」と、手応えと同時に生でお笑いを見る良さも、あらためて強調した。アンパンマンのネタを考えた平井は「次は、ばいきんまんが、めっちゃ人を倒しているところから始まる」と新ネタの構想を明かし、会場の期待感を高めつつ独演会は終了した。