日本・トルコ合作映画「海難1890」(12月5日公開)の公開を記念し、21日、和歌山市のジストシネマ和歌山で「エルトゥールル号」の特大模型展示セレモニーが行われた。

 映画は、125年前に和歌山沖で座礁したトルコ軍艦の乗組員を現地の人々が救助した「エルトゥールル号海難事故」と、その95年後の「イラン・テヘラン在留邦人救出劇」という2つの史実を描く。

 今回展示される模型は、全長5メートル以上、高さ3メートル以上あり、実際に撮影で使用されたという。セレモニーに出席した田中光敏監督は「波間に揺られたり、船の全貌(ぜんぼう)が見えるシーンの多くで使いました」と説明した。

 田中光敏監督は「模型の製作には、トルコに実際のエルトゥールル号の精密な図面をもらい、その図面を起こすだけで半年、作り上げるのに半年かかった。トルコ側には『こんなにも精密なものが作れるなんて!』と驚かれた。だからこそ、今回の合成撮影が非常にリアルに仕上がった。CGだけでは限界があるけど、それがリアルになったのは、模型に注がれた日本の技術のおかげだと思う」と話していた。