人気劇団ユニット「TEAM NACS」の安田顕(41)が30日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた主演映画「俳優 亀岡拓次」(横浜聡子監督、来年1月30日公開)試写会で、12月8日に迫った誕生日をお祝いされ、喜んだ。

 イベント中に、「俳優 亀岡拓次」劇中の、自身の上半身の写真をモチーフに作られたケーキが会場に登場。安田は、ケーキにスプーンを入れるのを一瞬ためらったが「嫌い(な部分)だから口」と言い、口の部分のケーキをスプーンですくった。共演の麻生久美子(37)と横浜監督が両目をすくったため、顔の大部分がなくなってしまった。それでも安田は、フォトセッション時に取材陣から「おめでとうございます」と祝福されると「ありがとうございます」と満面の笑みを浮かべた。

 最後に、安田は「(12月8日で)42歳になり、目と口は食べられてしまいましたけど…毎年、自分が主役だと思うのは、やはり誕生日だと思います。主役じゃないのは、他人の誕生日や結婚式。主役と感じられる誕生日に、(演じる俳優の亀岡は)脇役だけど、主役の映画…ダブルで主役の気分です」と、喜びをかみしめるように語った。

 安田は01年に北海道を中心に公開されたインディーズ映画「man-hole」に主演したことはあるが、「俳優 亀岡拓次」が全国規模で公開する映画として初の主演作となる。作家・戌井昭人氏の同名小説が原作で、横浜監督が09年「ウルトラミラクルラブストーリー」以来、6年ぶりに長編映画のメガホンを取った。安田演じる亀岡は、声がかかれば大作から自主映画までどこの現場にも駆けつけて監督に信頼されるが、主演の声はかからず、それでも不満を言わない、欲のない脇役俳優、37歳独身という役どころだ。そんな亀岡が、ロケ先の長野県諏訪市で一目ぼれする、居酒屋の若おかみ安雲を麻生が演じる。

 麻生は、明るく、軽妙なトークを展開する安田を見て、笑いのツボに入ったのか、舞台あいさつ中、ひたすら笑った。安田が「何、面白いんだよ!!」と突っ込むと、麻生は「こんなに話す人だとは思わなかった」と大笑い。安田は「話さないと、仕事にならないんだよ!!」と苦笑した。