実写化された映画「ゲゲゲの鬼太郎」で主演の鬼太郎を演じた俳優ウエンツ瑛士(30)が、漫画家水木しげるさん(享年93)の訃報にコメントを発表した。

 「水木先生は、お話しすと柔らかい印象でした。試写を見終わった後『君は77点だよ!』とおっしゃるので、ちょっと低いのかなと心配したのですが、その後に『80点満点でね』と付け加えられました。思ってもないところから言葉が飛んでくる、すごいユーモアのある方と驚きました。『何で自分が鬼太郎なんだろう』との不安が、すごく気が楽になったのを覚えています」。

 07年と08年に2作品。続編が作られるほどヒットしたこの映画は、ウエンツにとって、タレント人生の転機になった作品だった。

 「もともと、こういう容姿がコンプレックスで、事務所にも『役者はできないかもしれないよ』と言われていました。でも、鬼太郎がヒットして、映画賞の新人賞などもいただけて、役者としての未来を開くきっかけをいただけました。水木さんご自身が、自分の道を貫いて、鬼太郎の世界を築き上げたとあって、どういう風に生きていくべきかまでを、僕に教えてくださった気がします」。

 思いを引き継ぐ覚悟だ。

 「今ごろ、あの世で自分自身が作られた妖怪とたわむれているんじゃないでしょうか。先生はお亡くなりになりましたが、キャラは生き続けるので、演じさせていただいた僕は、これからも先生の思いをつなげていこうと思います。心からご冥福を申し上げます」。