コンテンツホルダー直営型映像配信事業「ボノボ」が1日、本格スタートし、都内で会見が開かれた。

 9月30日からサービスは提供していたが、当初の6社約300タイトルから、34社2500タイトルまで規模が拡大。今月から「寄生獣 完結編」「特捜戦隊デカレンジャー 10YEARS AFTER」(東映)「ホーンズ 容疑者と告白の角」(松竹)「キングスマン」(KADOKAWA)「インサイド・ヘッド」(ディズニー)などの配信が予定されているほか、今後は「釣りバカ日誌」(松竹)全22タイトルが初めて配信されるという。

 NTTドコモのdTV、Hulu(フールー)、世界最大手のインターネット映像配信ネットワーク会社ネットフリックスなど、定額動画配信サービスが乱立する状況だが、それらと違い、「ボノボ」は見たい映画を買い切ったり、期間限定でレンタルすることができる。さらに映画各社がコンテンツホルダーとして参加していることから、映画各社が劇場で公開した新作を、どこよりも早く配信できるところがウリとなりそうだ。料金は参加各社とシステム運用を行うパケットビデオ・ジャパンとの間で契約するため、各社、作品によって異なる形になるという。

 「ボノボ」に参加する各社の調整を行う任意団体ジャパン・コンテンツ・グループ(JCG)の会長を務める、日本映画製作者連盟(映連)の岡田裕介会長(東映)は「(新作映画を)できる限り配信したい」と話した。ただ、興行側との調整などは今後の課題だ。パケットビデオ・ジャパンの加藤徹社長は、劇場公開と同じタイミングで配信できるかについて「システム的には、できる。ただ映画各社が全て(配信時期を)決定するわけで、我々が、できる話ではない」と説明。映画各社と、その点について具体的な話を進めているかについて聞かれると「今のところ、映画各社との間で、そうした計画はありません」と話した。

 この日は松竹の迫本淳一社長、東宝の島谷能成社長、東映の多田憲之社長、KADOKAWAの井上伸一郎代表取締役、塚越隆行ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン・ゼネラル・マネジャー、佐野哲章ソニー・ピクチャーズエンタテインメント・映画部門日本代表、ジェシー・リー20世紀フォックス日本代表、吉沢和弘NTTドコモ副社長らが出席。リー氏は「(映画)全体の業界が1つになるのは、日本ならではのすごさ。(米国の)FOX本社でも注目している新しい試み」と、世界的に見ても異例の試みであると語った。