静岡のテレビ局がとても元気です。自社制作番組が多く、関東に比べて視聴率もいい。そこで、各局アナウンサーの素顔が知りたくなり、連載することにしました。題して「静岡アナ 気になリスト」。トップバッターは、静岡朝日テレビ「とびっきり!しずおか」(県内ニュース)のキャスター、赤間優美子アナ(24)です。3回に分けて紹介します。

 -初めまして。アナウンサーを目指したきっかけから聞かせてください

 大学に進み、「文化人類学」というゼミを履修しました。自分が興味を持った方を取材して報告書にまとめる内容でしたが、そこで自分の知らない世界を知り、伝える楽しさを覚えました。そして、もっと、自分から情報を発信できたらいいのになと。それが、アナウンサー就職活動の時期でした。

 -アナウンススクールには通いましたか

 最初に2年生の時に興味本位で通いました。半年間のコースに。でも、その頃は人前に出るのが得意ではなく、(やる気満々の)周りにも圧倒されて、やめてしまいました。それでこの仕事には向いてないと。その後、ゼミで取材を経験し、「やっぱり、これはやりたい」と思い、3年の秋から通い直しました。

 -アナウンサーになるための就職活動とは

 キー局は3年生の夏から始まっています。セミナーという職業体験の場からですね。そこを私は受けていなくて、出遅れました。でも、とにかくアナウンサーになりたかったので、全国20社を受けました。南は鹿児島まで。最初に受けたTBSさんの本試験では、黒髪でリクルートスーツでした。でも、周りを見ると、白いスーツの人がいたり…。なので私も、途中から髪をバッサリと切って、色も明るくしました。

 -就活の旅費も相当になったでしょ

 はい。スターバックスでアルバイトした貯金から出しました。大変でしたが、やると決めたので。

 -とはいっても、アナウンサー試験は狭き門

 静岡朝日テレビの試験は遅くて、4年生の4月でした。ここがダメなら一般就活に切り替えようと思って受験しました。他はいい線、カメラテストまで残っても…。ということはダメなんだと(最終的には、地方局にもう1社内定)。

 -静岡朝日テレビの試験を受けた時の思い出は

 印象がすごく良かったんです。穏やかで優しい。静岡の方のイメージそのままで。面接官って、怖い方もいるんですけど、私の話をちゃんと聞いていただきました。その辺で安心して、自分を取り繕うことなく話すことができました。

 -どんな質問を

 変わったことも聞かれました。「顔の好きなパーツはどこですか」と聞かれ、「口角」と答えました。笑った時に上がるので。「ほうれい線は気になりますね」とも答えました(笑い)。

 -静岡のことは勉強しましたか

 しました。私は必ずその地に前泊していたのですが、最初、富士山に登ろうとして、富士宮駅まで行ったんです。ただ、「この時期は登れません」と言われまして…。そのまま浅間大社に行き、お参りして、静岡の街を散策して、人々と触れ合って、その時から「何か合うな」と思っていました。私、おっとりしていているので、すごくフィーリングが合うなと思っています。それに、関西で育ってきたからか、店員さんもすごく優しく感じます。丁寧だし、いい距離感ですし。

 こうして赤間アナは、静岡朝日テレビに合格。試験の面接官には、現在、「とびっきり!しずおか」(県内ニュース)でコンビを組む石田和外アナウンス部長もいたとか。なお、赤間アナは同番組に入社2年目の今年4月から出演し、キャスターの地位を築いています。ところが、その名は別の番組を通じて、全国に広がりました。「その2」で詳しくお伝えします。【柳田通斉、鈴木正章】(つづく)

 ◆赤間優美子(あかま・ゆみこ)1991年(平3)10月30日、神戸市生まれ。聖心女子大文学部卒。14年入社。主な担当番組は「とびっきり!しずおか」(県内ニュース)。趣味は「動物と触れ合うこと」。家族は両親、長姉(33)次姉(32)兄(26)で4人きょうだいの末っ子。血液型B。