「SMAP育ての親」といわれる女性チーフマネジャー(58)はかつて大手映画会社で働いていたが、縁あってジャニーズに事務職で入社。デビュー間もないSMAPの男性マネジャーが体調を崩し、代役でマネジャー業務に携わり始めた。伸び悩むグループを立て直そうと、当時アイドルが本格進出していなかったバラエティー番組に着目。「何でもやらせます」という懸命な売り込みが実り、フジテレビ「夢がMORIMORI」での体を張ったコントなどが人気を呼び、大ブレークのきっかけとなった。

 多くの芸能関係者が口をそろえるのは「抜群のセンス」だ。仕事相手は無名で経験が浅くても才能があると感じたクリエーターと積極的に組んだ。放送作家の鈴木おさむ氏もその1人。そうした「金の卵」が次々と才能を開花させ、ジャニーズ事務所の枠を超えた「チームSMAP」が形成された。司令塔はこのチーフマネジャーだった。

 タフな交渉力やタレントを守り抜く剛腕も業界では有名だ。それは事務職時代、デスクとしてメリー副社長の秘書的な役割も果たし、その仕事ぶりを見てきたからこそ身に付いたスキルと指摘する芸能関係者もいる。お手本にした副社長と対立し、ジャニーズ事務所を離れようとしている今の状況は、何とも皮肉に思えてならない。【松田秀彦】