お笑いコンビ、トレンディエンジェルは昨年のM-1グランプリで優勝し、漫才日本一に輝いた。同期の若手コンビが次々と売れっ子になる中、焦らず、着実に自分たちの形を作り上げてきた。今年は初めてとなる単独ライブの全国ツアーを8カ所で行う。今一番、光り輝いている2人にこれまでの歩みを聞いてみた。

 トレンディエンジェルは昨年12月、5年ぶりに開催されたM-1グランプリで優勝した。頭頂部が薄い「斎藤さん」こと斎藤司(36)と、おでこが広すぎるたかし(30)は「変わりましたね、吉本とテレビ局の対応が。前はオジサンばっかりだったのに、スタッフに若い女の人がいる」と笑った。

 04年にNSC東京校に入った。翌05年デビューしたが、同期はオリエンタルラジオ、はんにゃ、フルーツポンチ…。みんな若くして売れっ子になった。M-1優勝で「昔は口も利いてくれなかった、オリエンタルラジオのあっちゃん(中田敦彦)がハグしてくれた。はんにゃは、おめでとうと言いながら悔しがってました」(斎藤さん)。

 斎藤さんは大学卒業後、広告会社、楽天を経て25歳で、たかしは高校を卒業したばかりの18歳でNSCに入学した。たかしは「高校の同級生とNSCに入ったんですが、その人に捨てられて、斎藤さんを拾いました」。斎藤さんは「僕は、誰と組んでも売れると思っていました」。

 優勝したM-1では、準決勝でまさかの敗退。敗者復活からの優勝だ。決勝当日の敗者復活戦は半信半疑。斎藤さんは「無理だろうと思いながら、知名度あるから大丈夫かな、とも思っていた」が、敗者復活を勝ち抜いて、すぐ決勝。「やるしかない、吹っ切れました。やり終わって、いけると思った」。結果は圧勝。いろんな話題に、自分たちのハゲネタをかぶせるパターンで次々に笑いを生み出した。

 ネタ元は本紙、日刊スポーツだ。社会面を見ながら、2人でネタ作り。毒と笑いとハゲをまぶす。今年開催する全8カ所の全国ツアーは「新ネタ多めにしたい。ネタは50個くらいあるけど、時事ネタだから、今やれるのは4つか5つくらい。ツアーではコントも1本入れたい」と話した。

 M-1王者になって、声をかけられることも多くなったという。たかしは「僕はよく斎藤さんって言われます」。斎藤さんは「役者もやりたい。変態役、おじさん役のニーズはあるんです」と胸を張る。一気に売れて、てんぐになった同期も見てきただけに、2人は着実な歩みを見せる。【構成・小谷野俊哉】

 ◆トレンディエンジェル 斎藤司(さいとう・つかさ)1979年(昭54)2月15日、横浜市生まれ。たかし(本名・須藤敬志=すどう・たかし)1986年(昭61)1月30日、東京都生まれ。ともにNSC(吉本総合芸能学院)東京校10期生で04年にコンビ結成。斎藤がボケ担当で、たかしがツッコミ担当。09年M-1グランプリ準決勝敗退。10年同準々決勝敗退。13年オンバト+優勝。14年THE MANZAI準優勝。

 ◆全国8都市ツアー「TRENDY ANGEL WORLD TOUR“JAPeeeeeN!!”」 4月29日に福岡・ももちパレスでスタート。岡山、仙台、大阪、名古屋、静岡、札幌を回り、ラストは8月14日の東京・銀座ブロッサム。詳細はhttp://blogs.yahoo.co.jp/trendyangel_worldtour_japeeeeen。