第70回毎日映画コンクールの表彰式が16日、川崎市内で行われ、スポニチ新人賞を受賞した藤野涼子(16)が女優業の本格再開を熱望した。映画初出演の主演作「ソロモンの偽証」(成島出監督)で、同級生の転落死に隠された真実を校内裁判で明らかにする、正義感あふれる中学生を熱演した。現在、高校1年で、学業中心の生活を送っているが、「高校1年を過ごしてみて、演技がやりたいなとという思いが強くなった。学業優先だけど、演技も頑張って勉強して、映画に出たいなと思う」と誓った。

 目標の女優を聞かれると、「吉永小百合さんのような女優になりたい」と明かした。「成島監督や助監督さんから『キューポラのある街』を見た方がいいよと教えてもらったんです。見たときに、私も吉永さんのような演技ができる女優になるんだと目標を持ちました」。

 吉永と共同プロデュースで映画「ふしぎな岬の物語」を製作した成島監督は、「僕と(吉永が)やりとりした手紙を見せたんです。『こういう手紙を書ける女優さんになりなさい』って。それで涼子も学業も頑張り始めた。あとは、映画女優に育ってほしい。テレビを下に見るわけじゃないけど、映画界を背負う女優になってもらいたいんです」とエールを送った。