宝塚歌劇雪組ミュージカル「浪漫活劇 るろうに剣心」新人公演が23日、兵庫・宝塚大劇場で行われ、5年目の永久輝(とわき)せあが主演した。

 永久輝は、昨年の「ルパン三世」から約1年ぶり、2回目の新人主演。トップ早霧(さぎり)せいなが主演する本公演では、インフルエンザが流行し、休演者が相次ぐ中、新人公演のけいこにも、全員がなかなかそろわない非常事態を乗り越えて本番を迎えた。

 「みんながやっとそろって、もうこの日しか(けいこは)ないというような集中力で、ひとつの舞台を作り上げられてよかった」。永久輝は笑顔で、汗をぬぐった。

 ただ、自身については、立ち回りなど「課題が多く残った」とも。それでも、2回目の主演で、下級生に立ち回りを教えるなどし「前回は自分のことだけでしたが、今回はそこは違ったかなとも思います」と手ごたえも語った。

 本公演では、早霧演じる緋村剣心の「影」を演じており、るろうに(流浪人)剣心の赤い着物ではなく、「人斬り抜刀斎」としての青い着物で出演している。日々、間近で本役・早霧の芝居を見て学び、早霧から「この赤を着たら剣心になれるよ」と言われ、この日の新人公演では、赤い剣心の着物に袖を通したという。

 「そうしたら、本当に剣心の強さ、優しさが通ってきた」と振り返った。

 また、ヒロインは3年目の彩(いろどり)みちるが、前作「星逢一夜」に続き、2作連続で務めた。彩も「インフルエンザとかが襲ってきた大変だった中で、ここまでこられてよかった」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。

 インフルエンザによる休演者はなかったが、ケガのため1人が休演。直前の離脱だったため、本公演で休演者の役柄を演じている8年目の久城あすがそのまま出演。7年目以内の若手が出演する新人公演では、異例のハプニングもあった。

 東京宝塚劇場の新人公演は4月14日。