休載中のグルメ漫画「美味しんぼ」作者の雁屋哲氏が、14年5月より休載されている同作品について、「再開うんぬんについては、今、私の一存では言えません」と現状を伝えた。

 漫画雑誌「ビッグコミックスピリッツ」で連載されていた「美味しんぼ」だが、14年4月28日号に掲載された「福島の真実篇」での、主人公・山岡士郎たちが福島第一原発を見学した後、疲労感や鼻血が出る症状を訴えるシーンが問題となったのち、14年5月より休載している。

 雁屋氏は22日、今年に入ってから初めてブログを更新し、「ずいぶん長い休載ですが、終了したわけではありません。ただ、再開うんぬんについては、今、私の一存では言えません」と連載の再開状況について報告した。

 雁屋氏は、休載について「鼻血問題とは、全く関係がありません」と主張する。編集部に小学館、作者である自身は、どんな圧力にも「屈することは絶対にありません」と断言する。「ただ、『美味しんぼ』は、基本的に食べ物を主題にしており、原発問題だけを取り上げる漫画ではありません。その点は誤解のないようにお願いします」と続けて、「原発問題にとどまることなく、話の幅を広げ、より面白い漫画にしていくつもりです」と宣言した。

 また最終回の構想も練っているらしい。「いくら何でも連載30年は長すぎだ。そろそろ終わりにしたいと思っていますが、どんな形で終わらせるか。今までの登場人物総出演で、おいしい食べ物の話でどんちゃんどんちゃん楽しく騒いで大団円。そう考えています」とアイデアを明かし、読者にいま一度「スピリッツ誌からのお知らせを、いま少しお待ちください」と呼びかけている。