サザンオールスターズの桑田佳祐(60)が26日、東日本大震災の被災地・宮城県女川町をサプライズで訪れ、TOKYO FMのレギュラー番組「桑田佳祐のやさしい夜遊び」の公開生放送として、電撃的にミニライブを開催した。桑田はJR女川駅2階にある町営の温泉施設「女川温泉ゆぽっぽ」に現れると、「仙台から1時間かけて来ました。曲いきましょうね。女川さいがいFM、ありがとう!!」と言い、サザンの78年のデビュー曲「勝手にシンドバッド」を歌い出した。「女川、頑張っていきましょう!!」と気合を入れながら、軽快に歌い、ライブが幕を開けた。

 桑田は女川町訪問にあたり、同町出身の歌手中村雅俊(65)に「女川に来ましたよ」とメールしたことを明かした。そして「女川町長に立候補しようと思います。(経歴)詐称疑惑で…雅俊さん、ありがとう!!」と言いながら、2曲目に自身が作詞、作曲した中村のヒット曲「恋人も濡れる街角」を歌った。3曲目には「いとしのエリー」を熱唱。「ズラがバレてる? ズラなんですよ。ズレてしまいました」と言って、観客を笑わせた。4曲目には、自身のソロ曲「風の詩を聴かせて」を歌った。

 この日の生放送は、TOKYO FM系列で生放送されたほか、東日本大震災発生後の11年4月に開局し、今月27日に閉局する女川町の臨時災害放送局「女川さいがいFM」でも同時生放送された。桑田は同局が閉局することについて触れ、「大変お疲れさまでした。ボランティアで、いろいろな人が話したと聞いています。女川の真の復興につながればいいと思います」と、同局関係者をねぎらい、復興を願った。

 そして5曲目に、ちあきなおみの「紅とんぼ」、6曲目に自身のソロ曲「明日へのマーチ」を歌った。さらに「次の曲、適当に歌ってズラかりましょう」とジョークを言った後、7曲目に「祭りのあと」を歌った。桑田は歌詞に合わせて、観客に「くじけちゃ駄目だよ!!」と呼び掛けた。

 そして、桑田は「我々の想像もつかないような、ご苦労が多々あったと思います。未来が豊かでありますように祈っています。音楽人として、女川が大切な場所であることを思いながら…。番組としては最後の曲…その後は分かりません。女川の方とは、もう少し過ごしたい」と言い、8曲目に、自身のソロ曲「明日晴れるかな」を歌った。

 桑田は「今日はお騒がせしました。女川ありがとう!! 放送が終わったら、何曲か歌わせていただける。その模様を来週、聴かせるかもしれない。閉局の労をねぎらい…お疲れさまでした。女川さいがいFM、万歳!!」と言い、来週の「桑田佳祐のやさしい夜遊び」で、番組終了後の“延長ライブ”の放送を行う可能性を示唆しつつ、番組を締めた。