タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校104期生の合格発表が30日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、競争率27・0倍(昨年同26・6倍)の難関を突破した40人が、夢への扉を開いた。

 最近は海外からの受験生も増え、今年も国内外から1079人が受験。合格者40人の最高身長は178センチ、平均身長は165・2センチだった。

 張り出された合格者一覧の中から受験番号を見つけた受験生は、ジャンプして大喜びしたり、号泣する少女も。一方では、自分の番号がボードになく、ハンカチで目元を抑えてしゃがみこむ者もいた。

 合格者の中には星組の若手娘役で、新人公演ヒロイン経験3回の綺咲愛里(きさき・あいり)の妹、三徳美沙子さんや、女優天海祐希と同期の男役、鷹悠貴(たか・ゆうき)の娘、山口真由さん(城星学園高2年)の姿もあった。

 天海と同期73期入団の母と同じ男役志望の山口さんは「舞台の端にいても、印象に残る男役さんを目指したい」と笑顔。もともと、バレエを習っていたが、1年ほど前から受験に備えてきたという。母の鷹は「娘に宝塚を勧めたことはないんですが」と照れながら「でも、娘の夢がかなってよかった」と話した。

 福岡・西南学院中から初受験で合格した宇都宮梓音(うつのみや・しおん)さんは、身長165センチだが「(花組トップ)明日海(りお)さんにあこがれていて、明日海さんみたいな男役になりたい」。男役、娘役のボーダーラインの身長にも「まだ伸びると思うので」と、泣き笑いの表情で夢を描いた。

 また、今年の合格者40人の中には東京出身と、奈良出身の同姓同名「林真由」さんがおり、奈良出身の林真由さんは「まだ(もう1人に)会ってないです」。娘役志望だといい「太陽のような娘役になりたい。(雪組トップ娘役の)咲妃みゆさんにあこがれています」と話していた。

 104期生の入学式は4月16日に行われる。