歌舞伎俳優片岡愛之助(44)と女優藤原紀香(44)が3月31日、都内のホテルで結婚報告会見を行った。紀香は、梨園(りえん)の妻となる決意をあらためて示し、出産への意欲も語った。愛之助は、今後も女優活動を続けることを希望していると明かした。

 紀香は、常に愛之助の1歩後ろを歩いた。会見場に登場した際も、写真撮影を終えて着席する時も、夫を立てて振る舞った。晴れの席に選んだ衣装は、誕生花でもあるダイヤモンドリリーとカサブランカをあしらった訪問着。派手すぎず、地味すぎず。絶妙なバランスが、今後の自分の生き方を示しているように感じられた。薬指には、愛之助がデザインした3カラットのダイヤの指輪が輝いていた。

 金びょうぶの前に並んで座ると、隣の夫をうっとりとした表情で何度も何度も見つめた。会見が始まってから笑顔を見せていたが、梨園に嫁ぐことについて質問されると、表情が一変した。

 紀香 生半可にはできない。今後のスタンスとして、仕事は続けますが、最優先順位は彼の健康面、歌舞伎の仕事のサポートです。「藤原紀香」としての芸能活動は、その中で許される範囲だと思っています。一番大事なのは夫の仕事。感謝の気持ちを今以上にやっていきたい。努力します。

 既に手料理を含めて、自分の健康や美容の知識も生かして愛之助の体調管理に取り組んでいる。

 目を潤ませる場面もあった。昨年8月に本格的な交際が始まる前の同5月、女性誌に「交際」と報じられた。当時は友人関係だったが、所属事務所から「会わない方がいい」と助言もされ、距離を置いたという。

 紀香 友情から尊敬の思いが愛情に変わって、いつの間にか彼にひかれていました。「もう会わないで」と言われて心にポッカリ穴が開いていた時、「話がある」と言われて。「ああ、同じ気持ちやったんや」って。うれしかったです。

 危機を乗り越えてつかんだ幸せをかみしめるように話すと、愛之助と見つめ合い笑顔を見せた。

 子どもについて聞かれた愛之助が「僕も養子で歌舞伎界に入ったので、名前を残すのに、子どもがいなければ、養子でも芸養子でも構わない」と話したが、紀香はきっぱりと言った。「そうは言ってくださいますけれども、できれば子どもを産みたいと思うのが女心。無理をせず、相談し合ってやっていきたいです」。

 挙式・披露宴について愛之助が「今年中に挙げたいと思います」と話した。

 9日には愛之助が出演する「四国こんぴら歌舞伎大芝居」の初日が控えている。ゆっくり過ごす時間はまだなさそうだが、紀香がこの日、あらためて自分の決意を語ったことで、2人の絆はより深まったはずだ。【大友陽平】