今世紀の朝ドラ最高視聴率(関東地区)は必至となっているNHK連続テレビ小説「あさが来た」が2日、最終回を迎え、ヒロイン波瑠(24)は、NHK大阪ホールで行われた最終回視聴イベントに出席した。感極まった表情で放送を見守りつつ、直前放送回で亡くなった夫役の玉木宏(36)と“再会”するエンディングを「なんとすてきな場面」と“自画自賛”した。

 昨秋から全156回続いた放送のオーラス。15分の完結編をファン約1100人と見た波瑠は「素直にあさ(ヒロイン)の気持ちになりきって、演じました」と振り返った。

 夫を亡くし、後輩の女性たちを前に講演したあさが、休憩の合間に空を見上げると、そこには玉木演じる夫・新次郎が手を振っていた。つえを捨てて駆けよるあさ。新次郎に近づくと、回想シーンのように2人は若返り、あさが新次郎の胸へ飛び込むエンディングだった。

 イベント後、取材に応じた波瑠は「今日は、ここ(イベント)で、一緒に見ようと、朝の放送は見てこなかった」と言い、1人の視聴者としての感想も口にした。

 「本当にもう、1人の視聴者として言わせていただけるならば、こんなすてきなラストはないでしょう」

 波瑠はすでに、約1カ月前の3月5日に撮影終了しているが、自らも感極まったような表情。「台本をもらったときにも、なんとすてきな温かい終わり方なんだろうと感動しました」とも話した。

 幕末に生まれた豪商のおてんば娘が、嫁ぎ先の商家を発展させ、女性実業家として、女子大まで発足させて大成していく姿を演じた。玉木が演じた夫は、そんな妻を広く大きな心で、陰にひなたに支えた風流人。夫妻の絆を象徴するような終わり方に、波瑠自身も大満足だったようだ。

 今月からは、日本テレビ系ドラマの放送が控え、すでに次の仕事へ移っているが、心にはまだ「あさ」が残る。「東京で次の仕事をしているんですが、さすがに『~どす』『~だす』は出ませんが、どうもイントネーションが…。『またちょっと関西弁に戻っちゃったね』と言われます」と苦笑した。

 あさの決めぜりふ「びっくりぽん」もお気に入りで、プライベートでは使い続けているそうだ。

 「びっくりぽん、使いますね(笑い)。あと、さっぱりぽん、がっかりぽん、すっきりぽんも!」

 10カ月に及んだ朝ドラ収録は充実し、女優としての大きな蓄えになった。

 視聴率も絶好調が続き、集計がビデオリサーチから発表されている3月31日までの視聴率データ(関東地区)を推計するかぎり、全話平均は23・4~23・5%になる見込みだ。NHKでは、3月5日のクランクアップ時に、第21週(2月27日)までの全話平均が23・4%と発表。その後も、2月末以前の好調を堅持しており、今世紀の朝ドラ1位「さくら」(23・3%=02年前期)を上回ることは必至とみられる。

 これについて、波瑠は「これこそホントにびっくりぽん。正直、数字のことはよく分からないですけど、ありがたいです」と驚きながらも、感謝した。

 この日のイベントには、ヒロインあさが嫁いだ加野屋の中番頭・亀助を演じ、スピンオフドラマ(23日午後9時=BSプレミアム)に主演する三宅弘城(48)、ドラマ脚本の大森美香氏(43)も出席。大森氏は「友人から最高らしいとメールをもらって、ありがたく思います」。三宅は「よい作品を作ろうと一生懸命やって、視聴率を取ろうと思ってやってきたわけじゃないですが、うれしいですね」と笑顔を見せていた。