タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校104期生40人の入学式が16日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、新入生総代の吉村里紗さん(神奈川)は「骨のある男役になりたい。あこがれは(元月組トップの)瀬奈じゅんさんです」と目を輝かせた。

 今年は、星組の若手娘役で、新人公演ヒロイン経験3回の綺咲愛里(きさき・あいり)の妹、三徳美沙子さん(兵庫県)や、月組娘役で91期生の白雪さち花の妹、山田絵莉香さん(北海道)ら、OG・現役生の親族6人が新入生として入学した。

 山田さんは、姉と同じ娘役志望。目標の先輩には、姉が所属す月組のトップ娘役、愛希(まなき)れいかをあげ「凜(りん)としていて、華やかな笑顔で立派に舞台を務められるような舞台人になりたいです」と話した。

 式典では、同校理事で阪急阪神ホールディングス代表取締役社長の角和夫氏(66)が、今月29日に花組で開幕を控える名作のひとつ「ミー&マイガール」のセリフを引用して祝辞。公爵夫人が下町育ちの主人公ビルに「貴族には義務がある」と話す場面をあげ、「貴族は普段は領民の働きでいい生活をしているが、外敵がくれば領民を守るために立ち上がる義務があるということです」と新入生に語りかけた。

 角理事長は「皆さんは貴族ではないが、(競争率27・0倍から)選ばれて入学された」と言い、予科、本科の2年間で、タカラジェンヌとしての基礎を身につけるべく、修練に励む“義務”があると説いた。

 また、入学式後には、吉村さんら成績上位4人が取材会に出席。地震被害が拡大する九州の福岡県出身の猪山空(いやま・そら)さんは「家族や友達とも連絡がとれ、無事でいるようですが、私を応援してれた先生や友達が心配です」と語った。

 音楽学校によると、104期生40人は今月12日に初登校。地方からの寮生は前日11日に入寮しており、猪山さんらは地震発生時はすでに寮に入っていたといい、電話などで親族と連絡をとったようだ。