第29回三島由紀夫賞、山本周五郎賞(新潮文芸振興会主催)の候補作が21日に発表された。三島賞候補にフランス文学者の蓮実重彦さん(79)の「伯爵夫人」(「新潮」4月号)など5作が、山本賞候補にファッションモデル押切もえ(36)の「永遠とは違う一日」(新潮社)など5作がノミネートされた。

 蓮実さんは元東大学長で映画評論家、文芸評論家としても知られる。三島賞を受賞した場合、最高齢となる。押切は「CanCam」の専属モデルなどとして活躍してきたが、2013年に初の小説「浅き夢見し」を発表、「永遠-」は初めて文芸誌に発表した作品。

 選考会は5月16日、東京都内で開かれる。

 その他の候補作は次の通り(敬称略)。

 【三島由紀夫賞】いしいしんじ「悪声」(文芸春秋)▽山下澄人「鳥の会議」(河出書房新社)▽三輪太郎「憂国者たち」(講談社)▽亀山郁夫「新カラマーゾフの兄弟(上下)」(河出書房新社)

 【山本周五郎賞】湊かなえ「ユートピア」(集英社)▽中田永一「私は存在が空気」(祥伝社)▽宮内悠介「アメリカ最後の実験」(新潮社)▽相場英雄「ガラパゴス(上下)」(小学館)