21日に急死したロック歌手のプリンスさん(享年57歳)が生前、長年にわたり慢性的な金銭問題を抱えていたという。

 プリンスさんの金銭事情に詳しい複数の情報筋らが米情報サイトTMZに明かしたもので、プリンスさんは主要財産となる膨大な音楽カタログを売ることを拒否していたらしい。

 プリンスさんのような音楽アーティストが安定した収入を得る最も一般的な手段は、自らの楽曲の売買や使用ライセンスによるものだが、プリンスさんは常に、財産を増やす可能性を開くビジネス・チャンスを拒絶。映画、テレビ、コマーシャルなどで自らの音楽が使用される数多くの機会があったにも関わらず、いくつかの例外を除き、ことごとく断っていたという。

 主な収入源はコンサートによるものだったが、情報筋らの話によると、プリンスさんは非常に衝動的で、突然、十分な準備もなしに思いつきでコンサートを行うこともあったらしい。多くのコンサートは成功を収めたが、それでも十分ではなく、結局は資産を失う結果となったようだ。最大の問題は、プリンスさんは収入以上にお金を使うことが多く、常に金銭問題を抱えていたという。

 プリンスさんの遺産は総額3億ドル(約335億円)と見積もられていたが、実際はその半分にも満たないという。それでもなお莫大な遺産ではあるものの、生前、最大の資産である音楽カタログを売っていれば、遺産ははるかに大きな額になっていたはずだという。

 同サイトはさらに、複数の内部情報筋らの話として、プリンスさんは遺言を残さず死去したと報じており、妹のタイカ・ネルソンさんや半分血の繋がった兄弟姉妹ら6人が平等に遺産を分け合うことになるとしている。(ニューヨーク=鹿目直子)