シンガー・ソングライター高橋優(32)が27日、秋田・横手市役所で会見し、野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES 2016」を地元の横手市で開催すると発表した。グリーンスタジアムよこてで9月3、4日の2日間にわたり開催し、計15組前後のアーティストが出演する。「音楽で秋田を盛り上げたい」という思いが実現。高橋は「秋田でしか感じられない空間を作れたら」と意気込んだ。

 地元でのフェス開催はデビュー当時からの夢の1つだった。同県はライブに適した施設が少なく、プロの音楽を生で楽しむ機会が少なかったからだ。

 初めてライブを見たのは高校生の時。同県内で行われたB’zのライブ会場に着くまで約4時間かかり、ボーカル稲葉浩志は米粒の大きさだったという。「でも生でスターを見る経験がなかったら、ステージに立とうと思わなかったかもしれないですね。だからこそ、いつかミュージシャンの存在を肌で感じる機会を作りたいと思っていました」と振り返る。

 また、同県は人口減少率や高齢化率が全国1位と寂しい現実を抱える。「このままでいいとは思わない。音楽で秋田を盛り上げて、日本も元気になるきっかけになれば」。横手やきそばなど地元グルメも楽しめるような構想も練っている。

 「キャラバン」だけに毎年開催地を変え、秋田全13市を回ることが目標。会見後、開催場所となるグラウンドに立ち「ここからのスタートダッシュは理想的ですね」。フェス成功のイメージは見えている。【近藤由美子】