KAT-TUNが1日、10周年記念全国ツアーの最終公演を東京ドームで行い、充電期間に入った。当面はグループ活動を封印し、亀梨和也(30)中丸雄一(32)上田竜也(32)はそれぞれソロ活動に専念する。メンバーはステージで、心配するファンに将来の活動再開を約束した。

 アンコール前、3人が思いを明かした。観客席からすすり泣きや、おえつが聞こえた。

 亀梨 ここから先の時間が、KAT-TUNを守るために必要な時間だったと思うために、僕たちは未来に向かっていきます。もっと力強くつながってしっかりと付いてきてください。

 涙を浮かべる中丸と上田に駆け寄り、3人は肩を抱き合った。ファン5万5000人の大歓声には、号泣も混ざっていた。

 06年4月、シングル「Real Face」のミリオンヒットという鮮烈デビューから10年。シングル全26作、アルバム全9作がオリコンランキング1位。前人未踏の東京ドーム8日間連続公演など活動は順風満帆だったが、赤西仁(31)田中聖(30)田口淳之介(30)が相次いで脱退した。

 中丸 6人だったメンバーが半分になるとは思いませんでした。

 亀梨 この6人が集まらなければ、KAT-TUNというグループはなかったかも知れない。いろいろありましたけど、抜けていった3人にも感謝したい。ありがとう。

 関係者によると充電の期間は決まっておらず、メンバーは当面、単独で活動する。来年5月公開の映画「美しい星」に出演する亀梨は俳優業が中心。日本テレビ系「シューイチ」のコメンテーターも務める中丸はトーク力を生かしていく。先月9日のTBS系「オールスター感謝祭」マラソン大会企画で優勝した上田はTBS系「炎の体育会TV」など体を張った仕事にも積極的に取り組む。

 無期限の充電に入ることを決め、ファンの間では「実質的な解散では」「もうKAT-TUNは見られないのか」など不安視する声もあった。この日、上田は絶叫した。「有言実行で絶対戻ってくるから!」。亀梨も言った。「また戻って来られるかは自分たち次第であり、皆さん次第でもあると思います。一緒に進んでいきましょう」。自分たちの精進とファンの後押しが、未来を作ると呼び掛けた。

 トリプルアンコールまで全37曲、3時間半におよんだステージ。誓いと決意の言葉をファンに届け、3人は、それぞれの道を歩み始める。【横山慧】