先月26日、胃がんのため85歳で亡くなった推理作家でシャンソン歌手としても活躍した戸川昌子(とがわ・まさこ)さんの通夜が4日、東京都大田区の臨海斎場で営まれた。戸川さんをしのんでタレント林家ペー、女優前田美波里、高畑淳子ら約400人が参列した。

 戒名は「浄賢院楽音文昌大姉(じょうけんいんがくおんもんしょうだいし)」。戸川さんは白いステージ衣装を着て棺に納められた。遺影は約3年前にプロフィル写真用に撮られたもの。祭壇は約3000本の赤いバラでステージをイメージしたもので、10着のステージドレスも飾られた。

 喪主を務めた長男でシャンソン歌手のNEROは「最期は眠るように苦しまずにいけました」と明かし、「母が残してくれた歌をこれからずっと歌い続けていきたい」と話した。

 取材に応じた前田は「戸川さんは役者さんが歌うように自分の世界をつくるのがうまかった。そこを目指していました」と、戸川さんをしのんだ。また、高畑は「音を外しても全然気にしないような人でした」と振り返り、7月に行われるシャンソンコンサート「パリ祭」で「今年は、戸川さんのカンコピ(完全コピー)で歌わせてもらいます」と話した。

 告別式は5日午前10時から同所で行われる。