2016年注目の歌手、レイチェル・プラッテン。10年以上の下積み時代を経験したレイチェルだからこそ書くことができたシングル「ファイト・ソング」は、アメリカで300万ダウンロードを突破し、世界中でも大ヒットを記録した。

 大学卒業後にめざし始めたプロのミュージシャンの道をあきらめかけていた時に、自分自身を励ますために書き上げたという。「1本のマッチしかなくても私は大きな爆発を起こしてみせる」「まだ頑張れる力が残っている」とレイチェルは力強く歌う。

 自分の力を信じ、あきらめないこと。近年、女性シンガーによるこのようなメッセージの歌の勢いが止まらない。代表するのはYouTubeの再生回数が10億回を越えたケイティー・ペリーの歌「ロアー(Roar)」や、グラミー賞を3回受賞した歌手ケリー・クラークソンのヒット曲「ストロンガー」。どちらも、壁にぶつかっても戦い続けることの大切さを歌っている。レイチェルの「ファイト・ソング」も、このような“自分応援ソング”の一つなのだ。

 “自分応援ソング”の人気の理由は、そのメッセージの普遍性にある。つらいことを乗り越えようとする全ての人にあてはまる歌なのだ。レイチェルは自身の追いかける夢について歌っているが、彼女の歌は病気と向き合う子供たちや、アメリカで選挙活動を行うヒラリー・クリントンなどさまざまな人の共感を得ている。あらゆる人を元気づけることのできる歌詞、それが“自分応援ソング”の強みだろう。

 なぜ今、女性シンガーによる“自分応援ソング”の人気が増しているのだろうか。その理由は女性の活躍に向けた近年の動きと関係があるようだ。米ニュースサイト「デイリー・ビースト」は、このような歌をセルフィー(自撮り)と重ね、どちらも若い女性が自信を持ち、自己主張することを奨励する役割を果たすと指摘する。これが将来的に、仕事などにおいて自分の立場の向上を求めることに役立つという。女性の活躍が推進される社会が、女性シンガーの“自分応援ソング”の人気を支えているということだ。【ハリウッドニュース編集部】