今月14日に急性心筋梗塞を発症して緊急手術を受けた元関西テレビ(カンテレ)アナウンサーで現在フリーの桑原征平アナウンサー(72)が25日、パーソナリティーを務めるABCラジオ「桑原征平 粋も甘いも」(水~木曜、正午=関西地区)に生出演し、仕事復帰した。

 放送終了後、取材に応じた桑原アナは生死を分けた一瞬の判断について語った。

 桑原アナによると、14日の同番組の生放送後、兵庫・芦屋市内のスポーツクラブへ。日課である水泳を終えたとき「心臓がギュッとなる」ような圧迫を感じた。30秒ほどで収まったため、いつものようにサウナに入り、水風呂に入った。ところが再び胸が締め付けられるような痛みと胸やけに襲われた。「14日は誕生日だったので放送後、いただいたケーキを食べた。ケーキのせいで胸がむかむかするのかと」。ソファで横になると、5分ほどで収まったため車で帰宅したという。

 自宅に帰ると、全身から汗が出てきた。桑原アナの妻が異変に気づき、救急車を呼ぼうとした。「そんな大げさな…」と抵抗する夫に妻は「しっかり税金も払っているのだから、こんなときは呼んでもいい」と説得。桑原アナは「あと5分待って汗がひかなかったら119番しよう」と覚悟を決めたという。

 救急車とともにドクターカーも到着。心臓の専門医に「心筋梗塞です」と言われ、兵庫・西宮市内の病院に救急搬送され、カテーテルによる緊急手術を受けた。心臓に血栓があり、血管の4分の3をふさぎ、血流が残りの4分の1で流れている状態だった。医師からは「もう少し時間がたっていたら血栓がすべてをふさいでいた」と説明された。

 発症から1時間以内の初期段階での手術だったため、助かった。妻の説得に応じ、救急車を呼んだ一瞬の判断も生死を分けた。

 同番組の冒頭で「ただいま戻って参りました。ご心配おかけしました」と元気にあいさつした桑原アナ。今回の経験から「頭や胸が痛くなったら自宅で我慢してたらアカン。その1分が命取りになる」と語りかけた。