ミネソタ州のミッドウェスト検死事務所が米国時間の2日に記者会見を開き、4月21日に急死した歌手プリンスさん(享年57歳)の検死結果を正式発表。

 プリンスさんの死因はフェンタニルの過剰摂取によるものとした上で、「フェンタニルの毒性」および「死者が自己投与したフェンタニル」により引き起こされた事故だったと発表した。

 米情報サイトTMZによると、合成オピオイドのフェンタニルは主に麻酔や鎮痛に利用されるが、モルヒネよりも強力で、依存症になる危険性が非常に高いという。

 検死報告によると、プリンスさんの死亡当時の体重は112ポンド(約50キログラム)で、自宅エレベーター内で倒れているのを発見された際、黒い帽子、黒いシャツ、グレーのアンダーシャツ、黒いパンツ、黒いボクサー・ブリーフ、黒いソックスを身につけていたという。

 プリンスさんは生前、エイズやHIV感染の噂も報じられたが、検死報告では「死因となる他の重要な病状はなかった」とされており、噂は否定されたことになる。

 米メディアは、プリンスさんは急死する6日前、鎮痛剤パーコセットの過剰摂取により危うく死にかけたが、乗っていた自家用ジェット機を緊急着陸させ、応急注射で一命をとりとめたと報じていた。

 さらに、プリンスさんは急死した当日、オピオイド依存症の専門家に会う予定となっていたが、依頼を受けたハワード・コーンフェルド医師が代理として、息子をプリンスさんのもとに差し向けたところ、プリンスさんはすでに死亡していたことが同医師の証言で明らかになっている。

 警察当局も、プリンスさんが薬物の過剰摂取で死亡したかどうかを調べていると発表。5月には、プリンスさんの自宅兼レコーディング・スタジオ内で家宅捜査が行われた。(ニューヨーク=鹿目直子)